私は一年ほど前、骨髄バンクを通して骨髄移植のドナーを経験しました。
これから骨髄移植のドナー登録を検討している方、ドナー候補になり実際にドナーになるかを迷われている方などの参考になればと「体験記」として記事を書いています。
※今までの記事は骨髄バンクドナー体験記 一覧ページからどうぞ※
ドナー登録からほどなくして、骨髄バンクから封筒が届きました。
「もしかして!?」
と少しドキッとしましたが、これは定期的に届く会報でした。
この頃は「もしかしたらドナーに選ばれました、と連絡が来るかも」とドキドキしていたのを覚えています。
それ以降も、何通も会報が届くもののドナー候補の連絡はありませんでした。
そして、そんな「ドナーに選ばれるかも」という緊張感もなくなった頃、運命の封筒が届いたのです。
(今回の内容)
・骨髄バンクのドナー候補に選ばれた?!~オレンジ色の大きな封筒~
・骨髄バンクのドナーになるための条件とは?
オレンジ色の大きな封筒
オレンジ色の封筒はいわゆる適合通知(骨髄の提供が出来る可能性がある事のお知らせ)です。
骨髄バンクからいつも送られてくる封筒より大きいA4サイズの封筒です。
これが届いたら「ドナーへの道」が開かれた、という事です。
ドナー登録をしているという方は「オレンジの封筒」が来たら、いよいよですよ!
骨髄バンクのドナーに選ばれた?!
ある日、仕事から帰っていつも通りポストを開けると、ポストに大きなオレンジ色の封筒が入っていました。
はじめ「???何だろう?」と思ってすぐピン!ときました。
「骨髄バンクだ!!」と。
封筒には赤字ではっきりと
大切なお知らせです。至急開封してください。
と書いてありました。
「本当に来た。。。」
と少し驚いてしまいました。
封筒を開封すると、「(適合通知)コーディネートのお知らせ」で、骨髄提供または末梢血管細胞提供の案内の文書が入っていました。
※私の場合は、骨髄提供または末梢血管細胞提供を選べる形でしたが、患者さんの状況によってはいずれかの方法に限られている場合もあるようです。
文書には、
7日以内に「コーディネイトを希望orコーディネイトを辞退」を決定し、書類に記入・返信して下さい
と書いてありました。
7日間以内って、短くないですか?
私は、ドナー登録の時点で
「適合したらドナーになる」
と決めていたのですが家族にも相談が必要で、7日間は短く感じました。
自分でも迷っている方はさらに短く感じるのでは?と思います。
家族に相談
この通知を受けて、私はコーディネートするか否かの決断を下すべく、家族に相談をしました。
旦那は賛成!という感じではありませんでしたが、「まだ候補の中の一人でしょ」って感じで反対はされませんでした。子供達も「入院になったらお手伝いをするよ」と言ってくれました。
職場に相談
もしドナーに決まった後に「仕事が休めないから無理です」とは言えません。
職場の上司に、骨髄ドナーの候補の一人になっていること・ドナーに決まれば入院が必要で仕事を欠勤することを伝えました。
また、もしドナーに決まっても、提供の時期は希望を出すことが出来ること(注:患者さんの状態によっては難しい場合もあるようです)も伝えました。
職場の反応はというと、時間給ということもあるのか
「まあいいでしょう」
ってな感じでした。
正直、たぶんこの人は骨髄のドナーになるということがどういうことか良く知らないのだろうな~と反応で思いました。
が、まあOKが出たので考えない事にしました(笑)。
骨髄バンクへ返送
家族にも職場にもドナーになることに「OK」をもらったので、
「コーディネートを受ける」
に〇をつけて、骨髄バンクへ送付しました。
この段階では、「ドナーになるぞ!!」と強い気持ちでいました。
でも、この先ドナーになることを迷うことになるとは予想外でした。
ドナーになるための条件とは?
TVのCMやラジオなどで、「骨髄バンクのドナーへ登録を!」と流れているのを時々目にします。
でも、そのCMを見ても実際「ドナーになるとはどういうことなのか」、具体的に表現しているものはありません。
私も実は具体的に「ドナーになる」ということを理解したのはドナー候補になって、コーディネーターから説明を受けてからでした。
ドナーになるためにはまず登録が必要なので、登録できる条件・できない条件をまとめておこうと思います。
・18歳以上54歳以下
・体重が男性45キログラム以上/女性40キロ以上
上の条件を満たしていれば登録できます。
注意:ドナー登録は18歳から可能だが、提供は20歳から。
では、次に登録や提供が出来ない条件です。
特に気管支ぜんそく、肝臓病、腎臓病、糖尿病など、慢性疾患の方
・以下の病歴がある方
悪性腫瘍(がん)、膠原病(慢性関節リウマチなど)、自己免疫疾患、
先天性心疾患、心筋梗塞、狭心症、脳卒中
・悪性高熱症の場合は、本人またはご家族に病歴がある方
・最高血圧が151以上または89以下の方、最低血圧が101以上の方
・輸血を受けたことがある方、貧血の方、血液の病気の方
・ウイルス性肝炎、エイズ、梅毒、マラリアなどの感染症の病気の方
・食事や薬で呼吸困難や高度の発疹などの既往がある方
・過度の肥満の方(体重kg÷身長m÷身長mが30以上の方)
この条件で、私の場合は「体重」が最重要課題でした。ちなみに「太りすぎ」の方です(笑)条件はなんとかクリアできました☺。
コーディネーターの話によると、中年以降の方は「高血圧」で引っかかる方も多いようです。ドナー登録を考えている方は、健康管理が必要ですね。
そして、一番重要な条件があります。
それは、
骨髄移植・末梢血幹細胞提供の内容を十分理解していること
です。
ドナー登録を考えている方は、登録をする前に「ドナーになるとはどういうことか」を理解しておく必要があります。
私の場合、自分では「ドナーになる」というのはどういうことかを十分理解していたつもりでした。
でも、実際は「浅い知識」しかもっておらず、オレンジ色の封筒が来てからネットで調べるうちに「しっかり理解」できた様に思います。
でも、きちんと理解したことで「一時ドナーになる事を迷った」時期もありました。(別の機会に詳しく書こうと思います)
体験した私が思うのは、
ドナー候補になってから7日間であたふたしないで良いように、リスクも含めて「ドナーになる」というのはどういうことかを理解し、ある程度決意を固めておいてほしい
ということです。
私も決意が揺らいだことがあるので偉そうには言えませんが、コーディネート開始すると患者さん側に負担がかかります。
ですので、あやふやな気持ちでコーディネート開始にならないようにするのがベストです。
ただでさえ治療にお金がかかっている患者さんの負担を増やさないよう、ドナー側もきちんとした心構えがあるのが理想ですよね。
もし、ドナーになる事を検討している、または、オレンジ色の封筒を待っている方であれば、今から「ドナーになる」とはどういうことかをしっかり理解しておいてほしいと思います。
まとめ
私にオレンジ色の封筒が来たときのエピソードと骨髄バンクのドナー登録の条件について書きました。
骨髄バンクについて知りたい方やドナー登録や骨髄提供を悩んでいる方などへ、少しでも参考になればと思います。
この他にも骨髄バンクのドナー体験談を書いています。
よろしければ骨髄バンクドナー体験記 一覧ページよりご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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